海の生態系にとって不可欠な藻場が「磯焼け(※)」によって次々と失われています。「磯焼け」が起こるとコンブやワカメなどが茂った海の森が枯れ果て、海底が砂漠や荒れ地のようになることから「海の砂漠化」と表現されることもあります。
藻場は、重要な海洋の生態系の1つです。漁師が漁獲する魚以外にも多くの生き物が生息しています。つまり、藻場の衰退は「水産資源の喪失」を意味しますので、地域の漁業に大きな影響を与えてしまいます。もちろん「ブルーカーボン」という視点から見ても「磯焼け」は深刻な課題です。藻場が減ることで、二酸化炭素の吸収量も減ることになり、地球温暖化をさらに加速させることにつながりかねません。
※磯焼けは「浅海の岩礁転石域において、海藻の群落(藻場)が季節的消長や多少の経年変化の範囲を超えて著しく衰退または消失して貧植生状態となる現象」 と定義されています。磯焼けは、多くの複合的な要因によって発生すると言われていますが、その中でも主要な要因は「植食動物による食害」と「海水温の上昇」と言われています。