ドライアイス削減への挑戦

ドライアイスの使用は、事業の中で比較的多くのCO₂を排出している要因の一つとなっていました。グリーンコープでは2027カーボンニュートラルを実現するため、事業で使用するドライアイスの削減への挑戦を始めました。

年間1,800トンのCO₂を大幅削減

グリーンコープでは2002年より、冷凍品の品温を保つため、配送や留守宅への保冷の際にドライアイスの使用をスタートしました。2023年のドライアイス年間使用重量はグリーンコープ全体で約1,800トンにも及びます。これはすなわちドライアイスを使用することによって年間1,800トン(2023年実績)ものCO₂を事業の中で排出しているということを意味します。

組合員へ冷凍品の品温を保った状態で、お届けするために必要不可欠となっているドライアイスの使用は、このように事業の中で比較的多くのCO₂を排出している要因の一つとなっていました。したがって、グリーンコープでは2027カーボンニュートラルを実現するため、事業で使用するドライアイスの削減への挑戦を始めました。

従来の発泡スチロール製保冷箱
従来の発泡スチロール製保冷箱
ドライアイス
ドライアイス
発泡スチロール製保冷箱に保冷剤とドライアイスを併用
発泡スチロール製保冷箱に保冷剤とドライアイスを併用

新たな保冷箱と蓄冷剤の導入

グリーンコープでは2022年よりドライアイス削減に向けて、さまざまな検討や調査を実施してきました。ドライアイスを使用しなくても安心で安全なグリーンコープの食べものを組合員へお届けが出来るよう、配送用(配送トラック内での保冷)の保冷箱と、蓄冷剤について保冷効果の高いものを調査、検討することから開始しました。

新しい蓄冷剤
新しい蓄冷剤

持続可能な冷却システムの構築

新たな保冷箱と蓄冷材について、2024年7月からさがセンターで試験的に配送現場へ導入し、冷凍品のドライアイス削減を目的とした実証実験を実施しました。新たな保冷箱は、重量が以前の保冷箱3箱ほどとなるため、持ち運びが懸念されていましたが、配送担当は問題なく持ち運びすることが出来ており、また新たな蓄冷剤についても、従来のものより保冷効果が高く、急速冷凍機を使用することで夏場においても十分に蓄冷剤の運用が可能な事を確認することが出来ています。

新たな保冷箱と、蓄冷剤を使用することによる配送トラック内での保冷効果は、最後の配達箇所まで冷凍状態のまま、まったく解凍されることなくお届け出来るということも実証され、約2年の歳月を経て、ようやくドライアイスを使用しなくとも配達が可能なものと出会うことが出来ました。

冷凍品荷積みの様子(さがセンター)
冷凍品荷積みの様子(さがセンター)
新しい保冷箱と蓄冷剤
新しい保冷箱と蓄冷剤
新しい保冷箱と蓄冷剤
新しい保冷箱と蓄冷剤

このことによって、仕分け用ドライアイス(配送トラック内での保冷用)が不要となり、従来のドライアイス年間使用重量の半分以上という大幅な削減効果となります。
(2023年の仕分け用ドライアイス使用重量は1,115トン。ドライアイス使用量全体1,800トンの、約60%以上の削減に相当。)
また、再利用可能な蓄冷剤・保冷箱を活用することは、事業で排出するCO₂の削減に貢献するだけでなく、持続可能な冷却システムを構築することに繋がります。
新たな保冷箱と蓄冷剤は各支部、センターに順次導入していき、今後は留守宅用の保冷で使用しているドライアイスについても無くせるよう検討を進め、ドライアイス使用量ゼロの実現を目指しています。