グリーンコープ生協
ふくおか
共同購入ワーカーズ
白川 典子さん

PROFILE

2000年に商品配送ドライバーとしてグリーンコープに入社。業務を行う上でのポリシーは、「安全運転を徹底し、組合員さまの大切な商品の品質を守りながら正確かつ迅速に届けること」。人々のより豊かな「食」や「暮らし」を支える一員として日々力をつくす。現在は配送チームのリーダーとして、後進の育成にも余念がない。

家族の健康やより良い自然環境。
運んでいるのは、組合員さんたちの想い。

脱炭素社会に向けて、普段の業務のなかでどんな取り組みを行っていますか?

わたしたちが運転するトラックの車体には、グリーンコープのマスコットキャラクターであるリスの「元気くん」や社名のロゴマークが大きく入っています。パッと見でも、街中でとても目立つクルマであるのは言うまでもありません。それだけにドライバー一人ひとりが会社の看板を背負って走っている責任感を持って安全運転を徹底しているのはもちろん、環境に配慮したエコドライブに努めています。わたし自身も普段から車間距離を十分に保ち、急発進・急ブレーキや無駄な車線変更をしないよう心がけています。
業務では商品の配送ほか、組合員さんがグリーンコープで購入された牛乳や調味料のびん、食品トレー、たまごのパック、配達用の仕分け袋や注文時のカタログなどの回収も担当。できるだけゴミを減らすために使ったものをリユースし、リサイクルに回す、この4R運動を支える仕事に20年以上携われていることに誇りを感じています。環境のためのグリーンコープの活動を未来へつなぐ架け橋となれるよう、これからも尽力する覚悟です。

それを行う際は、どんな思いで取り組んでいますか?

もともと母がグリーンコープの組合員で、わたしは幼い頃からグリーンコープの商品を食べて育ちました。母は食品トレーや調味料のびんなどの返却にも積極的で、それらを洗う母の姿は、わたしにとってはごくありふれた日常の光景でした。そうした母の行いは自分たちで使ったもののリユースやリサイクルであり、より良い社会や環境のための取り組みであったと理解するのは、今の仕事を始める、ずいぶん後のことです。
実は子どもの時は、素朴な味でどことなく物足りなさを感じていたグリーンコープのお菓子や牛乳が好きではありませんでした。けれど、段々と大人になるにつれて、そのおいしさや安全性がわかるようになり、グリーンコープへの加入を決めたのは結婚して一人目の子どもが生まれてからです。親となって初めて、わたしの健やかな成長を願ってグリーンコープを続けてくれていた母の想いにも気づきました。
こうしてわたしは、ずっとグリーンコープの商品や取り組みを身近に感じ、もはや当たり前のものやこととして生きてきました。それだけに、より安全で豊かな食や暮らしを求める組合員さんたちの気持ちには人一倍共感できます。脱炭素社会やエコへの意識が高い一方で、4R運動を詳しくご存知ない方もいらっしゃるので、業務を通じて情報提供し、取り組みの輪を広げていきたいと考えています。

脱炭素社会へ向けた取り組みを行うなかで良かったと感じるエピソードは?

配送ドライバーは新規加入を希望されるお客さまに4R運動の概要をご説明する業務も担っています。これはわたしがご案内を担当した組合員さんが初めて空きびんや食品トレーを返却に出された時のことです。商品の配送とともに回収に伺うと、その方から面と向かって「ものを捨てずにリユースやリサイクルに貢献できてうれしい」「回収に来てくれてありがとうね」というお礼の言葉をいただきました。わたしにとっては子どもの頃から馴染み深い当たり前の取り組みですが、その方にとってはきっと新鮮なことだったのだと思います。続けて「家庭のゴミを減らせて、環境にもやさしくなれた気がする」と満面の笑みでおっしゃり、それを耳にしながら仕事のやりがいや意義を強く感じたのをよく覚えています。
わたしたちは一定期間、同じルートの商品配送を担当するため、必然的に顔見知りになる組合員さんが増えてきます。特に返却を始めたばかりの不慣れな方のなかには、回収のルールが曖昧な方もいらっしゃるので、より良い関係を築きながら理解を深めていただけるよう努めるのも配送ドライバーの重要な役割です。

これまでの取り組みや体験を通して、自身のなかで変わったことは?

配送業務を通じて組合員さん方との関係が深まると、世間話のなかでカーボンニュートラルやSDGs、地球温暖化などといったいろんな話題が出ることも珍しくありません。時にはこちらからグリーンコープの取り組みへの理解を深めてもらえるよう促すこともありますが、反対に組合員さんの話で新たな情報を得たり、視野が広がったりする場合も。改めてこれまでを振り返って思うのは、組合員さんと密に交流できるようになればなるほど、お互いにとってプラスになるということ。こうした気づきをリーダーとして後輩たちに共有し、成長の糧にしてほしいと考えるようになりました。そこで社内の学習会や何気ない業務の合間など、機会を見つけては自分の経験や体験談を自然体で話すようにしています。
また、グリーンコープでは順次、電気で走るEVトラックを導入予定。わたしたちの支部でも運用化される日が遠くないので、環境のためにさまざまな取り組みを行うグリーンコープの配送ドライバーとしてのプロ意識を持ち、ますます業務に精進していくべきだと身が引き締まる思いです。

未来の地球や環境のこと。言葉でなくても想いは伝わる。

わたしには2人の娘がいます。どちらもすでに独立して、グリーンコープの組合員になりました。けれど、わたしは何も教えていませんし、加入を勧めたこともありません。安心安全な「食」にこだわったり、空きびんや食品トレーをリサイクルに回したりする親の姿を見ながら成長し、自然とそういう決断に至ったのだと思います。言葉で説明しなくても、きっと想いや行いの正しさは伝わるのではないでしょうか。最初は無意識でやっている4R運動や環境のための取り組みだったしても、いずれその意義にも気づき、娘たちの子から子へとつながってくれたら幸せですね。