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カーボンニュートラルQ&A

グリーンコープのカーボンニュートラルへの取り組みについて、組合員のみなさまから寄せられやすい「よくあるご質問と答え(Q&A)」を作成しました。ご一読ください。

EV車関連

EV⾞は修理ができないと聞いた。リサイクルできず廃棄される⾞が増えてCO2が増えるのではないか。

現在導入しているEV⾞のメーカーより以下の回答をいただきました。

⽇野⾃動⾞

  • 故障時は従来の⾞両同様に修理にて対応します。廃⾞時も従来の⾞両と同様、⾃動⾞リサイクル法を遵守しており、設計段階から環境に配慮しリサイクル可能な材料を選定しております。
  • EVバッテリーのリサイクルについては⾃動⾞再資源化機構を窓⼝とし、共同回収のスキームを⾏っております

フォロフライ

  • ⾞両が故障した際は、該当部品を交換することで修理が可能です。また廃⾞時の⽅法ですが、基本的には従来のエンジン⾞と変わりません。当社の⾞両もエンジン⾞と同様に、新⾞登録時にリサイクル券を発⾏しており、⾦属、樹脂やゴム、エアコンガス、エアバッグ等に分類され、回収・リサイクルが⾏われます。

EV⾞は火事になりやすいのではないか?バッテリーの熱対策はできているか。故障でドアが開かなくなったりしないか。寒い時期にバッテリーが低下しないか。

現在導入しているEV⾞のメーカーより以下の回答をいただきました。

⽇野⾃動⾞

  • EVについては保安基準による電気装置に関する規定があり、火災防止、熱によるバッテリー保護の要件が明示されております(保安基準17条の2 、協定基準UNR100-02)。⽇野デュトロ Z EVは厳しい評価をクリアした⾞両となっております。
  • ⽇野デュトロ Z EVのキャビン、荷室のドア構造については従来より配送で使われているトラックの構造をベースに開発しており、従来同等の耐久性を持たせています。
  • EV用バッテリーの特性として低温時には性能が低下しますが、極低温環境下でなければ通常通り稼働できると考えています。

フォロフライ

  • 当社EVは、バッテリーを含む電気装置の安全性について定めた保安基準第17条の2、ならびに国連規則であるUNR100-02をクリアした製品となっております。
  • 当社の⾞両に関しては過去2年程⾛⾏の実績がありますが、バッテリーの発火事例はございません。また米国の調査データでは、10万台あたりの火災発生件数が以下の通りとなっており、統計的に⾒てEVは⽐較的火災発生率が低いと⾔えます。
    ICE(従来のエンジン⾞)︓1529.9 件
    HV(ハイブリッド⾞) ︓3474.5 件
    EV(電気⾃動⾞)   ︓25.1 件
  • エンジン⾞と同様に12V補機バッテリーが放電してしまうと、電源が入らない(エンジンがかからない)現象は起こりますが、その際もドアはブレードキー(メカニカルキー)で開閉が可能です。12V補機バッテリーを充電すれば再度電源を入れることも可能です。バッテリーの特性として低温時にはパフォーマンスが低下することが一般的です。当社⾞両のバッテリーには加温パックが付いており、マイナス20℃でも動作できますが、その場合でも⾛⾏距離は短くなります。その中でもポテンシャルとしての航続距離が⻑い当社⾞両だからこそ、安⼼して冬もお使いいただける⾞両になっていると⾃負しております。

現在の⽇本は火⼒発電がメインなのでEV⾞が増えるほどCO2が増えるのではないか。

グリーンコープが導入するEV⾞はグリーンコープでんきの「ゼロエミッションプラン」の電気で充電します。この電気は発電時にCO2を排出せず、更に非化石証書を充てており、温対法上でもCO2を排出しない電気ですので、グリーンコープがEV⾞を⾛⾏させることでCO2が増えることはありません。このように、発電時にCO2を排出しない電⼒をつかってEV⾞を⾛らせることができるということも社会に発信していきたいと考えています。

EVに変えることでCO2削減になるというデータは本当なのか。

グリーンコープで使用するEVトラックはグリーンコープでんき(ゼロエミッションプラン)で充電するので、⾛⾏中に排出するCO2は実質ゼロになります。EVトラック製造時にはガソリントラック製造時よりも多くCO2が排出されますが、EVトラックに変更すれば約2万km⾛⾏した時点で、製造時に排出するCO2を含めトータルで、これまで使用してきた同クラスのガソリントラックを下回ると試算しています。現在グリーンコープで配送に使用しているガソリントラックの燃費は約5km/ℓで、一般的な乗用⾞に⽐べて非常に燃費が悪く、CO2排出量も多くなっており、一般的な乗用⾞をEV⾞へ変更した場合よりも少ない⾛⾏距離で、CO2排出量が逆転することになります。
製造時のトラックのCO2の排出量は非公開となっていますので、「公益社団法人全日本トラック協会」、「一般社団法人日本自動車工業会」、「日野自動車ホームページ」より、製造時のトラックのCO2の排出量を算定しました。

EVの導入はもう少し価格が落ち着いてから、性能が向上してからでもいいのではないか。また、⻑距離の配送は大丈夫か。寒冷地や被災地での使⽤は可能か。ハイブリッドでもよいのではないか。

一刻も早くCO2削減に取り組みたいと考えたことに加え、配送ワーカーの負荷(昇降時の身体負荷、荷台の高温による熱中症)軽減につながるという意味でもすぐに導入したいと考えました。
ガソリン⾞やハイブリッド⾞には、EV⾞のような低床タイプやウォークスルータイプはありません。現在導入しているEV⾞の満充電での航⾏可能距離は150km〜300kmとなっておりガソリン⾞などと⽐較すれば短くなっておりますが、⽇常の配達で使用する範囲はほぼカバーできるものと考えております。寒冷地では満充電できない可能性がありますが、今後改善されていくと考えています。寒冷地での使用という点で、雪での⽴ち往生が⼼配との意⾒もありますが、ガソリン⾞であっても⽴ち往生してしまえば30リットルほど燃料が残っていても約一⽇でガス⽋になりますし、雪でマフラーからの排気が滞れば一酸化炭素中毒の危険もあります。
このような状況において、ガソリンだから、EVだから、ということはあまり意味がないのではないかと考えております。被災地支援については、電気の供給がストップすることがあればガソリンスタンドでの給油もできないため、EV⾞であることが特に⼤きなデメリットとは考えていません。可搬式充電器も開発されてきているため、このような機器の活用も検討していきたいと思います。

なぜ電気なのか。電気ではなく⽔素を模索してはどうか。

これまで、EVトラックの調査と並⾏して、⽔素トラックの調査も⾏ってきましたが、組合員宅への配送に使用できる⽔素トラックは2026年7月時点で、販売されておりませんし、今後の発売予定もありません。
⽔素トラックは、EVトラックと⽐較して価格が高額(1台あたり5,000万円〜1億円)になることと、⽔素ステーションの建設にも4〜5億円の高額な費用がかかると⾔われており、インフラ整備が進んでいないのが現状です。その様な状況から、現時点での⽔素トラック導入は難しいと考えています。
引き続き⽔素⾞両に関する情報収集は続けていきます。

バイオディーゼル燃料のほうが再利⽤という意味でEVよりよいのではないか。

バイオディーゼル燃料の使用は、軽油に5〜20%を混ぜることでCO2の排出を抑えるというもので、CO2を全く排出しないというものではありません。また、原料が農作物であり、⾷料の確保という点にも影響する可能性があるため、慎重に検討しなければならないとも考えています。
⽇本では、このような農作物の⼤規模栽培は難しいという面もあり、輸入するとなるとコストだけでなく輸送時にCO2を排出することにもつながります。また、廃油を活用することについても、検討していきたいと考えています。

⽔と大気中のCO2で⼈⼯⽯油ができるとの報道を⾒た。

e-fuel(二酸化炭素と⽔から電気分解した⽔素を化学反応させて生み出される⼈⼯的な液体燃料。炭素を原料としている点はガソリンと同じだが、地中の化石燃料ではないという点においては異なる)のことかと思われます。e-fuelは「⼤気中から回収した二酸化炭素と⽔素で作ったもの」とヨーロッパでは定義されていて、⼤気中から二酸化炭素を回収するために電気も必要となります。⼤気中に含まれるCO2の量は多くなく、現時点ではガソリンよりもコストが高くなると想定されています。

蓄電池の開発、普及をしてもらいたい。

再生可能エネルギーへの転換を推進していくためにも必要なことであると考えております。蓄電池の代わりとなるEV⾞の導入含めて検討していきます。

EV⾞の航⾏可能距離は交通状況を考えたほうがいい。

現在導入している2⾞種のEV⾞の航⾏可能距離は⽇野⾃動⾞150km、フォロフライ300kmと公表されていますが、日野自動車は80km、フォロフライは120kmで試算して充電計画を組み立てています。福岡県内の配送業務においては、もっとも⾛⾏距離が⻑いコースでも107kmであり、現在のEV⾞の航⾏可能距離でカバーできると考えています。航行可能距離を上回る配送コースについては、経路充電を行うことを検討していきます。
事故や気象条件による渋滞などの場合に困る可能性はありますが、電⽋の発生時には⾃動⾞保険のレッカーサービスで対応したいと考えています。

グリーンコープ生協ふくおかの1コースあたりの⾛⾏距離別・配送コース数

走行距離1〜30km31〜60km61〜90km91〜110km
コース数1939件 (80.7%)420件 (17.5%)61〜90km 38件 (1.6%)4件 (0.2%)

 

fig. コース別走行距離の割合

EV⾞のバッテリーリサイクルについて

EV(電気自動車)とエネルギーマネジメントを組み合わせることで、バッテリーのリサイクルと資源循環に取り組むことを検討しています。グリーンコープでんきとともに運用する太陽光発電の余剰電力を、EV と蓄電池を組み合わせて有効活用し、自家消費の拡大や非常用電源としての活用を進めると同時に、一部を電力市場へ供出することで経済性の向上も図るものです。また、自動車リースやバッテリーリースを行う企業などと連携し、EVに搭載されたバッテリーを車載用として使用した後、定置型蓄電池として再利用する「循環的な利用モデル」の構築を模索しています。これにより、再生可能エネルギーの最大活用による脱炭素と、バッテリーの長期活用による資源循環の両立を目指し、環境負荷の低減と地域社会における持続可能なエネルギー利用の実現に貢献することを目指しています。 また、福岡県が呼びかける「GBnet福岡」に加盟し、参加企業・団体と連携しながら、使用済みバッテリーの再利用や資源循環の仕組みづくりについて研究・検討を進めています。今後も環境負荷低減に向けた取り組みの検討を継続してまいります。
 

fig. 蓄電池付き充電器とは

蓄電池付き充電器とは。日産リーフの再生バッテリーを搭載し、EV2台を同時充電可能。停電時には非常用コンセントが作動し、最大30時間以上のバックアップ電源として地域の防災拠点にもなる。

EV⾞に使⽤されるレアメタルについて

レアメタルは、EV⾞だけに使用されているのではなく、ハイブリッド⾞にも使われていますし、量は少ないのですが、ガソリン⾞にも使用されています。また、私たちの生活に⽋かすことのできない、パソコンやスマートフォン、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、医療用機器など様々な電気製品に使用されています。
このように過酷な労働環境や資源量の問題などありますが、それはEV⾞に限ったことではありません。レアメタルの問題だけをもってEV⾞を導入しないということは、極端な考えではないかと思います。
なお、蓄電池や太陽光パネルについてはEUなどでカーボンフットプリントの取り組みも検討されており、⽇本においても蓄電池については経済産業省が試⾏事業をまとめたものを2023年4月21⽇に発表しています。このような動きを注視し、状況に応じて判断していくようにします。

EV⾞の災害時や停電時の対応について、どのように考えているか。災害のことを考えるとガソリン⾞もあったほうがいい。災害時については、どのように考えているのか。

災害時に停電すれば給油スタンドでの給油も利用できない状態となります。また、過去の災害時の復旧においては、給油スタンドより電気の復旧が早いケースが多いようです。⾞⾃体もガソリン⾞より、EV⾞の⽅が浸⽔に弱いということはありません。災害時にEV車のバッテリー電力を非常用電源として活用するため、各物流拠点にパワームーバーを10台配備しています。パワームーバーはEVに蓄えた電気を取り出し、照明や通信機器、冷蔵庫などへ供給できる装置で、停電時でも業務継続や地域支援に貢献できる体制を整えています。

電磁波が心配である。

通常の生活環境で受ける電磁波の影響の⽅が⼤きく、特にEVトラックが電磁波を多く出すということはありません。もちろん個⼈差はあるので電磁波で影響を受ける⽅には配慮できるようにしていく必要があると考えています。

EF(電界)=電場

基準値以下
基準値超過
基準値(25V/m)
 
25
2.0
 
2.0
 
1.3
 
1.5
 
51.0
 
68.0
 
61.0
 
53.0
 
69.0
 
9.0
 
2.0
 
EV乗用車 (助手席)
EVバン タイプ(助手席)
EVトラックA (運転席)
EVトラックB (運転席)
蛍光灯 (50cm)
電子レンジ (50cm)
ケトル (50cm)
wifiルーター (50cm)
ノートPC (50cm)
ipad (直)
携帯電話 (直)

EMF(電磁界)=磁場

mG
白血病・脳腫瘍6倍(4mG)
小児急性白血病・小児脳腫瘍(2mG)
日本の安全規制値
 
 
4
 
2
1.9
 
1.9
 
2.0
 
2.0
 
1.3
 
5.3
 
1.3
 
1.2
 
1.2
 
1.1
 
1.7
 
EV乗用車 (助手席)
EVバン タイプ(助手席)
EVトラックA (運転席)
EVトラックB (運転席)
蛍光灯 (50cm)
電子レンジ (50cm)
ケトル (50cm)
wifiルーター (50cm)
ノートPC (50cm)
ipad (直)
携帯電話 (直)

RF=無線周波数帯電磁波

mW/m2
欧州基準(1mW/m2)
日本の安全規制値
 
 
1
4.7
 
2.1
 
11.4
 
15.6
 
0.2
 
83.8
 
0.4
 
7.3
 
67.0
 
103.1
 
345.6
 
EV乗用車 (助手席)
EVバン タイプ(助手席)
EVトラックA (運転席)
EVトラックB (運転席)
蛍光灯 (50cm)
電子レンジ (50cm)
ケトル (50cm)
wifiルーター (50cm)
ノートPC (50cm)
ipad (直)
携帯電話 (直)

電力関連

太陽光パネルが原因で地下水などが汚染されるのではないですか?また、将来の大量廃棄についてどのように考えていますか?

適切に処理されない場合は、ご指摘のような環境汚染のリスクがありますが、現在は技術開発や法整備が進み、リサイクル率95%~99%が実現されています。また、現在、主流となっているパネルには懸念されるような危険な有害物質はほぼ含まれていません。

1. 太陽光パネルのリサイクル技術と将来の展望

以前はパネルからガラスや封止剤などを分離する技術がなく、フレームのアルミ以外は埋め立て処分されるのが一般的でした。しかし現在では分解技術が確立され、リサイクル率は95~99%に達しています。大量廃棄のピークを迎える2035〜2037年に向けて、2023年には「一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会」が設立されるなど、業界全体で適正処理の体制強化が進んでいます。 

fig. 太陽電池モジュールの構造と重量比(出典:NEDO)

2.有害物質に関する誤解と事実

「パネルは重金属などの有害物質を含んでいて危険」という情報もありますが、これは誤解を含んでいます。

  • 市場の96%以上は安全な「シリコン系」 普及しているパネルのほとんどは、地球上に豊富に存在する安全な珪素(シリコン)でできています。シリコン自体に有害物質はありません。
  • 鉛の含有量も減少傾向 電極のハンダに鉛が使われることがありますが、2010年代以降は鉛フリー化が進み、含有量は大幅に減っています。
  • 他の有害物質について セレン、カドミウム、ヒ素などの有害物質は特定の「化合物系」パネルに含まれるものであり、1枚のパネルにすべてが含まれているわけではありません。このタイプは市場シェア3.5%以下とごくわずかです。

このように、一部の特殊なパネルの情報が強調された結果、「すべての太陽光パネルが危険」という風説につながっていると考えられます。

fig. 太陽電池セル 半導体ウェハの種類(出典:独⽴⾏政法⼈産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター)

 

3.グリーンコープでんきの取り組み

グリーンコープでんきでは、環境に配慮した安心・安全な運用を徹底します。

  • 適切な廃棄業者の選定
    将来のパネル廃棄時には、リサイクル率の高い適正業者を選定して処理を行います。
  • 確実な廃棄費用の積み立て
    2022年7月からの制度に基づいた「外部積立」に加え、グリーンコープでんき独自で廃棄費用を計画的に積み立てています。

メガソーラーには利権問題があると聞いたのですが、本当ですか?

大手資本や投資目的の事業者が開発利益や売電収入を地域外へ持ち去り、地域に還元されない構造が問題視されるケースがあるのは事実です。投機的な目的で開発され、利益が地域外へ流出したり、環境破壊を引き起こしたりする構造は、是正されるべき課題です。

また、「利権問題」の本質は、メガソーラーを巡る懸念の多くが、発電事業が投資や営利の

みを目的として行われたことによる「地域との乖離」に起因していると考えられます。

  • 利益の過度な地域外流出:大手資本や外資系ファンドが主導し、売電収入や開発利益が地域にほとんど還元されない。
  • 乱開発と環境への負荷:自然保護や景観、防災面への配慮が不足した開発が行われ、地域住民との合意形成や安全確保が後回しになる。

こうした構造は、再生可能エネルギー本来の「持続可能な地域社会をつくる」という理念とは相容れないものであり、業界全体として是正が必要だと考えています。

EV⾞の普及は電気需要を増やすことになり、結果、原発再稼働に繋がるのではないか。

EV車の普及が電力需要を増やし、原発再稼働につながるのではないかという懸念があります。確かに2022年8月に岸田首相が「最大9基の原発稼働」を指示しましたが、これは主として当時のエネルギー不足に起因する2022年冬の電力需給逼迫への備えであり、EV普及そのものが直接の理由とは言えません。

日本政府は2030年にEV比率20〜30%を目標としており、その際に必要となる追加電力量は約50億kWhと試算されています。これは日本の年間総発電量約9,000億kWhの0.6%程度にあたり、数字だけを見ると大きく見えますが、電力システム全体から見れば決して過大な負担ではありません。2030年までの年平均で見ると、必要な追加発電量の伸びは年0.1%以下という水準です。

一方で、日本の電力需要は2010年頃をピークに減少傾向が続いており、この10年で10%以上減っています。省エネ機器の普及、住宅の断熱性能向上、人口減少などを考えると、今後もこの傾向は続くとみられます。さらに、多くのEVは電力需要が少なく料金の安い夜間に充電されており、昼間ピーク時に一斉に充電されるという前提は現実的ではありません。

また、EV普及は単にCO2排出を削減するだけでなく、再生可能エネルギーの有効活用にもつながります。例えば、九州電力管内では2020年に約3.9億kWhの再エネ発電が出力制御により抑制されていますが、これは2020年時点の国内EV全体が年間に消費する電力量に匹敵します。EVが持つ大容量電池をV2Hなどで活用すれば、再エネの余剰分を蓄えて需要ピーク時に放電し、火力発電の出力を抑えることも可能になります。日本の電力の約7割は依然として化石燃料に依存しており、気候変動対策としても再エネ拡大と蓄電技術の高度化、省エネ・需要側の工夫が不可欠です。EVの普及とこれらの取り組みを組み合わせることで、「EV増加=原発再稼働不可避」という単純な図式ではない、持続可能な電力システムへの道筋が開けると考えています。

太陽光パネルが生態系や自然環境に悪影響を及ぼすのではないですか?

立地選定や環境配慮を欠いた開発は、自然破壊や土砂災害のリスクを伴います。そのため太陽光発電は「どこにでもつくってよいもの」ではなく、地域の生態系・防災・景観と調和する形で進めることが大前提であると考えます。

しかし、FIT制度の発足当初、環境アセスメント対象外だったことを背景に、一部事業者による山林の乱開発が問題となりました。これを受け、国は野建て太陽光の新規認定抑制、悪質事業者への罰則強化・認定取消、国立公園区域の拡大など規制を強化しており、太陽光発電そのものを否定するのではなく、屋根置き型・地域共生型へシフトさせる健全化が進められています。

太陽光発電は気候変動対策に不可欠な発電方法のひとつです。厳格化されたルールのもと、地域の自然や生活環境を守ることを優先した「持続可能で安心できる再生可能エネルギー」の普及が求められています。

※グリーンコープの神在太陽光発電所について

神在太陽光発電所は、荒れ地となり暴走族の集合場所として治安が懸念されていた自動車教習所の跡地を活用して建設されました。発電所の建設によって跡地が整備されたことで、地域の防犯・環境改善につながり、地元の皆さんから大変歓迎されました。

建設にあたっては、糸島市と「環境保全協定」を締結したほか、行政・工事事業者と合同で地元説明会を開催し、住民の皆さまとの合意形成に努めました。また、工事期間中の生活環境に配慮し、地元の生活道路の通行を避けるための「工事用車両専用道路」を新設するなど、徹底した安全対策を講じて施工を行っています。

太陽光パネルはほぼ中国製であり、ウイグルの強制労働問題に絡んでいるので反対。

そのような事実があることは、大変重く受け止めた上で、グリーンコープでんきでは、アメリカの「ウイグル強制労働防止法(UFLPA)」規制の対象となっていないメーカーのパネルを使用することを、現時点で考えられる最善の対応として選択しています。

※ウイグル強制労働防止法(UFLPA):新疆ウイグル自治区で完成された製品だけでなく、同自治区産の原材料やUFLPAの制裁対象事業体から調達した材料を組み込んだ製品も対象としており、原産国・輸出元国が中国以外の第三国であっても差し止めの対象になり得る。

なお、強制労働は太陽光パネルに限った問題ではありません。ある調査によれば、日本が輸入するノート型パソコン・携帯電話などの86%は、電子機器部門での強制労働が疑われる中国やマレーシアで製造されています。また、日本が輸入する衣類・装身具の80%も、中国や、同じく強制労働リスクが指摘されるアルゼンチン・ブラジルなどが供給元とされています。強制労働という問題は、太陽光パネルだけに限らず、私たちの身の回りの多くの製品に潜んでいる課題だと考えています。

太陽光パネルに限らず、強制労働などの人権リスクと全く無縁な製品を選ぶことは、日常の暮らしや事業活動において現実的には非常に困難です。しかし、地球温暖化に対して何もしないことは、子どもたち(未来を生きる世代)の人権を脅かすことにもつながります。問題があるからといって0か100かで判断するのではなく、できる限りの調査と選択を行いながら、精一杯取り組んでいきたいと考えています。

木質バイオマスを燃やすのに石油を使用している

ご指摘の通り、木質バイオマス発電の一部では、稼働の過程で化石燃料を使用する場合があります。木質バイオマス発電には大きく2つの方式があります。

  • 熱分解ガス化方式:燃料を直接燃やさず、ガス化した成分を燃焼して発電します。燃料には食品工場などから出る茶殻や野菜くずなどの食品廃棄物が使われます。
  • 直接燃焼方式:燃料をそのまま燃やしてタービン・発電機を回します。多くの場合、プラント起動時は化石燃料バーナーを種火として使用し、木質チップやパームヤシ殻投入後にバーナーを消火する運用となっており、起動時には化石燃料を使用します。

木質バイオマス発電は、太陽光・風力・地熱のような自然エネルギー発電とは異なり、成長過程でCO2を吸収した木材を燃焼してつくる発電方法です。そのため、伐採・輸送・乾燥・加工の各過程で排出されるCO2をできる限り抑えること、森林破壊を伴わない原料の調達、輸入原料への依存をできるだけ減らすことが重要だと考えています。

グリーンコープでんきの⽊質バイオマスの原料は何ですか。

グリーンコープでんきの電源となっているバイオマス発電所の使用燃料は、木質チップ(78%)とパームヤシ殻(22%)です。それぞれの輸入先は木質チップがオーストラリア、ベトナム、アメリカで、パームヤシ殻はインドネシアとなっています。

これらの原料は、国際的な森林認証制度等や輸出国の管理規則に基づく認証を取得した工場で生産され、流通過程についても適切に管理されています。また、発電所のホームページ上では、調達先工場のリスト、持続可能性に関する情報開示など、発電事業者に求められる情報公開が行われています。

他の取り組み

カタログの紙を減らす。仕分け袋がもったいない。配送効率の⾒直しなども必要では。

紙を削減するために、カタログに使用する紙のサイズを小さくしました。掲載する商品を検討することなども行っていきたいと考えています。また、これまでグリーンコープでは紙の販売カタログ『カタログGREEN』をすべての共同購入組合員に送付し、注文を受けていました。紙資源の消費をすこしでも削減するため、グリーンコープでは専用アプリ、あるいはウェブ経由での注文も受けられるように、段階的に体制を整備してきました。そして現在では専用アプリ、あるいはウェブ経由での注文も、一定の割合に達するようになっています。このため専用アプリ、あるいはウェブで注文する組合員は「紙のカタログ(カタログGREEN本誌)の配送を希望しない」と選択できるようにしました。これにより、グリーンコープで用いる紙資源を大きく減らすことができるようになりました。
仕分け袋については、現在の運用を変更すると作業効率が落ちてしまうことによって、コストがあがってしまいます。商品をむき出しで保冷箱に入れるということは、衛生面においても問題があると考えています。袋to袋(仕分け袋のリサイクル)を徹底することで少しでも無駄をなくしていけるよう、ご協力をお願いします。また、配送コースを効率化するシステムを導入することについても現在検討中です。

紙類をFSC認証紙に切り替える。

カタログGREEN他数種類のカタログについては、すでにFSC認証(「森林の管理が環境や地域社会に配慮して適切に⾏われているかどうか」を評価・認証し、そうした森林からの生産品であることを証明するもの)の紙に切り替えています。
また、カタログGREENぷらすについては、にっぽんの竹紙15(竹チップを15%配合。放置竹林の竹を資源として、地域の環境を守り、地域経済の活性化につなげることができる、再生可能用紙)に切り替えています。切り替えが終わっていない紙類については、今後、紙の適正使用もあわせて環境に配慮した紙への切り替えを考えていきたいと思います。

第一に食の安全 農業、生産者、消費者を守ることにお⾦を使ってほしい。カーボンニュートラルより、農業、畜産を応援することにお⾦を使ってほしい。

気候変動を止めなければ、農業、生産者、消費者を守ることはできないと考えています。
ロシアのウクライナ侵攻で、⾷料だけでなく、飼料や肥料、燃料、農畜産業に必要な資材の供給が滞っています。そこに加えて、地球温暖化(地球の加熱化)に伴う気候変動(もはや異常気象の常態化)により、世界各地で干ばつや⽔害が頻発し、農作物の生産は減り、⾷料だけでなく、リンや尿素など生産資材の原料となる資源も、⾃国分を優先して確保しようという動きが強まっています。⾷料や生産資材を海外に依存する⽇本にとって、気候危機もウクライナ危機と並んで、⾷料危機を脅かしています。このような社会情勢(飼料や肥料や燃料の流通が滞ることによる価格の高騰)は、グリーンコープの産直生産者、取引先・メーカーにも⼤きな影響を与えています。
例を1つあげれば、肥料原料の価格は数年前の2倍近くに高騰しています。肥料は植物を育てるうえで必要不可⽋です。しかし、その肥料のほとんどを輸入に頼っていて、もし、肥料の輸入が出来なくなるようなことになれば、国内で野菜は作れなくなり、⾷料不⾜に陥ると⾔っても⾔い過ぎではないと感じています。
⽇本の⾷を未来につなぐためにも、⾷料や生産資材等の「海外依存型」からの脱却を目指し、⽇本でつくる、⽇本のものを⾷べることを追求し、そのことによって⽇本の農業を守り、⾷料⾃給率を高められるよう、グリーンコープの⾷べもの運動を強化していきたいと考えています。
今後、⻘果・米生産者の皆さんが農業を営み、生活する地域と農業を守り、発展させることと、私たちが望む⾷べものの安全と安⼼と安定に向けた取り組みを連帯させて、⽇本の農業と地域と⾷べものを守っていくことに取り組みます。 例えば、⻘果の⽋配を無くすためには、組合員が求める安全で安⼼できる⻘果物が安定して、「十分な量」、生産されなければなりません。安定して生産されるためには、気候変動に対応しなければなりません。環境制御型のハウスなど気候変動に対応する投資が必要です。
⽋配を無くすため「十分な量」を生産した場合、余剰が発生しますが余剰が発生したとしても、別にしっかりと販売することができて、農業収入を得ることが出来るようにしなければなりません。そのためには、グリーンコープ以外に対しても価格競争⼒があるようにしなければなりません。つまり、高い生産性の農業を実現しなければなりません。そしてそのためには、投資が必要です。
したがって、生産者の皆さんとグリーンコープとで、高い生産性の農業の構築、そのための投資、投資の回収、農業の成⻑と発展、グリーンコープの組合員にとって安全・安⼼・安定・安価な⾷べものを供給し、グリーンコープの組合員と利用を拡⼤させていく、という循環を一緒に作って、⽇本の農業と地域と⾷べものを守っていくことに取り組みます。

⽵林を管理して⽵炭を作る。

竹炭を作り土壌にまくことは炭素を固定することにつながります。竹林を適切に管理することとともに検討していくことができればと考えています。Greenぷらすに竹紙を使用する、糸島で竹林を管理することを目的に開発されたメンマをカタログで取り扱うなど、取り組みを進めています。引き続き取り組んでいくようにいたします。

旬ではない野菜を無理に作らない。

加温栽培時のCO2排出に関するご意⾒かと思います。消費者の⾷生活の実情と農業も経済的な生産活動であること⾃体は尊重せざるを得ないという面もあって、グリーンコープでは以下のようにルールを定めています。また、加温栽培時のエネルギーについてはどのようなエネルギーを活用していくのか、今後検討できればと考えます。

※以下⻘果取引マニュアルより抜粋
グリーンコープでは「旬を⼤切にしたい」「エネルギーの浪費は問題にしていきたい」ということを前提にしつつ、一⽅で消費者の⾷生活の実情と農業も経済的な生産活動であること⾃体は尊重せざるを得ない、という矛盾の中で、加温栽培については次のようにしています。加温栽培を認めている作物は以下の品目です。
産直運動をより活性化していくために、トマト類(トマト・ミニトマト・ミニトマトアイコ・ミディトマトなど)・きゅうり・なす・ピーマン・⻘しそに限り生産期間を延⻑し農地を有効活用していくため、「加温栽培」を認めています。ハウスみかんや冬に出荷するためのメロンなどへの恒常的な(一定期間継続する)加温は認めていません。前項以外の(非恒常的な)加温栽培などについて育苗期(含む発芽期)については、加温あるいは冷房(蔵)育苗を認めます。
前項のトマト類・きゅうり・なす・ピーマン・⻘しそ以外の品目(ししとうやメロンなど)の育苗期の加温、いちごの株冷、あるいは夏期に播種後の一定期間の冷房(エアコントロール)使用での育苗などが該当します。育苗期以外に非継続的に霜害防止や凍結防止などの目的で一時的に加温するものはこれを認めます。
例えば、レモンの樹は低温に弱くハウス内がマイナスになると葉や枝が枯死します。これを防ぐためにハウス内がマイナスになる場合だけの加温などです。
以上のうち、夏期の冷房(蔵)育苗については、個々のケースでその都度判断します。事前の相談をお願いします。

耕作放棄地を活⽤する。

耕作放棄地を活用して⻨の栽培を⾏い、その⻨を原料とした「チクゴイズミの乾麺うどん」を開発・商品化しました。耕作放棄地で、⼤豆やごまなども栽培しています。今後は飼料の栽培なども検討することとしています。2023年の夏より飼料(サイレージ用コーン)の栽培にも挑戦します。

牛のゲップ(メタンガス)削減に取り組めないか。

そもそも、⼤量生産、⼤量消費ということについて問題意識を持つことが必要だと思っています。⽜のゲップに含まれるメタンガスは、飼料を改良することで削減できるなどの報道もありますので、今後に向けて検討していければと考えおり、現状を以て、⽜偝の取り扱いを減らしていくなどの判断は⾏っていません。
極端に⾔えば畜産や酪農をやめるかどうか、ということにもつながることであって、色々な情報をもとに慎重に判断していくことが必要だと考えています。農業の環境負荷低減に向けた農⽔省の「みどりの⾷料システム戦略」には、メタン発生を抑制する飼料添加物の開発を盛り込んでいるなど、国も検討している様子にあります。

セルロースナノファイバーの利⽤拡大。

セルロースナノファイバーは木材から得られる木材繊維(パルプ)を1ミクロンの数百分の一以下のナノオーダーにまで高度にナノ化(微細化)した世界最先端のバイオマス素材です。セルロースナノファイバーは植物繊維由来であることから、生産・廃棄に関する環境負荷が小さく、軽量であることが特徴で、弾性率は高強度繊維で知られるアラミド繊維並に高く、温度変化に伴う伸縮はガラス並みに良好、酸素などのガスバリア性が高いなど、優れた特性を発現するといわれています。⾃動⾞部品、住宅建材、電化製品などにも用いられていてリサイクル性も高い素材ですので、今後活用を検討できればと考えています。

廃棄ロスを減らす。

カタログ利用においては注文を受けて製造、納品ということが基本となりますので、廃棄ロスはほぼ出ないことになっています。グリーンコープのお店においても近年削減が進んでいる様子にあります。廃棄ロス削減のための新たな取り組みなど、引き続き検討していきます。

ドライアイスは⼯場で発生した副産物を利⽤して作っているので新たにCO2を排出していないではないか。

ドライアイスの製造には工場から排出されたCO2を再利用していますが、使用者がそれを大気中に戻すことで、最終的な排出者(=使用者)とみなされるようです。2025年度よりグリーンコープではドライアイスの使用料を削減するために、新たな輸送時の冷凍配達容器と蓄冷剤を導入することにより、これまで使用していたドライアイス総量を約60%削減できる見通しです。

グリーンコープが事業を⾏う上で排出しているCO2の総量を知りたい。

オールグリーンコープがScope1・2※1で排出しているCO2は、2021年度実績で14,855t※2でした。『2027カーボンニュートラル』は、この排出量を2027年にゼロにすることを目指すグリーンコープの取り組みです。
※1 Scope1は「直接排出」に区分され、事業活動におけるガソリン・軽油、灯油などの化石燃料の燃焼やドライアイスの使用により排出されるCO2です。Scope2は「間接排出」に区分され、自社で購入・使用した電気・熱・蒸気の生産によって排出されるCO2です。
※2 温室効果ガス(GHG)の排出量を算定・報告するための国際的な基準であるGHGプロトコルによって算出しています。また、独立した第三者保証機関の『第三者保証報告書』取得により、その正確性が担保されています。
 
fig.グリーンコープ事業排出CO2について

総排出量

2021年4月〜2022年3月
 
14,855
tCO2e

46%

54%

6,825tCO2e

8,030tCO2e
1 直接排出
2 間接排出

スコープ1排出量
 
6,825
tCO2e
排出割合TOP3
  • ガソリン62%
  • ドライアイスの使用28%
  • 軽油9%
スコープ2排出量
 
8,030
tCO2e
排出割合TOP3
  • 電気(2021年度)100%
品目排出
原単位
排出
原単位
の係数
使用量単位個別CO2
排出量
(tco2e)
CO2
排出量(tco2e)
割合
ガソリンガソリン(L)0.002321,809,209l4,1974,19761.5%
ドライアイスの使用ドライアイスの使用11,907t1,9071,90727.9%
軽油軽油(L)0.00258225,286l5815818.52%
液化石油ガス(LPG)液化石油ガス(LPG)(m3)0.0065519,251m31261261.85%
灯油灯油(L)0.002493,444l8.588.580.13%
都市ガス都市ガス 代替値(m3)0.002052,419m34.964.960.07%

国に援助などをしてもらった⽅がいい。

EV⾞やノンフロンタイプのショーケースを導入した場合には、可能な限り補助⾦を申請し、交付を受けています。2022年度、EV⾞では50台中44台、ノンフロンタイプのショーケースは1台、補助⾦の交付を受けることができました。引き続き、適切に申請を⾏っていくようにします。